SINCE
「しつもーん!」
はい!と元気よく挙手をした河合に楽屋にいた全員の視線が集中する。
普段自分達の楽屋にいる時よりも多くの視線を受けながら、河合は自分達の楽屋とまるで変わらぬリラックスした様子でソファーに身体を預けている。
ちょこんと膝を抱えるような体制で、そのくせ挙げた手だけはやけにキビキビと、それは普段ダンスをする時のように真っ直ぐに上へと伸びている。
そんな河合を見て横尾はギクリとした。
横尾は河合と仲がいいだけになんとなく察知したのだ。
こいつはまた余計なことを言い出すのではないか、と。
そして横尾のカンは見事的中した。
河合は手を真っ直ぐに挙げたまま、向こうの椅子にどっかりと腰掛けてイヤホンを耳にしては微動だにしない人間を見て言った。
「北山くんはなんでそんなに機嫌が悪いんですかー?」
楽屋の中が瞬間的に凍りつく。
横尾は咄嗟に河合の隣に滑り込むように身を降ろすと、慌てて肩から抱え込むようにしてその口を掌で塞いだ。
「おい、河合っ」
「んっ、んんー、ふがーうむー」
その手に河合はじたばたともがきながら横尾を見上げる。
けれどもがきながらも、見上げてくるその表情には特に悪びれた様子はない。
どうやら判っていなくて言ったわけではないようだ。
けれどそれならそれでタチが悪い。
横尾は小さくため息をつく。
「お前はなんでそんな藪をつつくようなことを・・・」
思わず呟きながらチラリと北山の方を見る。
随分と浅く腰掛けて両足を投げ出したその姿はやはり微動だにしない。
音楽を聴いているんだろう。
とりあえずそちらに反応がないことを確認してから、今度は鏡台の方を見る。
そちらにはやはり鏡台前の椅子に、こちらは随分と深く腰掛けては両手を両膝の上にちょこんと置いている藤ヶ谷がいた。
その視線はやはり北山に一心に注がれていたけれど、横尾の視線に気づいたのかそちらをチラッと見てはへにゃりと眉を下げた。
その表情は元の顔の造りがそれなりに男らしいだけに随分と情けなくて、同時に少しだけ幼げだ。
トレードマークの片側だけ長い前髪もいつもより元気がない気がする。
そんな中横尾の腕の中で河合は未だばたついていた。
「んー、んー・・・っぷは、苦しいって!」
「お前なぁ・・・」
「ちょっときいてみただけじゃん」
もがいてようやく横尾の手を離させた河合は、それでも悪びれた様子はない。
頼むから余計なことは言うな、と内心思いながら横尾は再び北山を見る。
やはり反応は特にない。
聞こえていないんだろう。
けれどそう思った矢先、よく通る高いトーンのその声が再び隣から静まり返った部屋に響いた。
「北山だめじゃん、後輩ビビらせちゃ」
横尾は再びその手で河合の口を塞ごうとするけれど、今度はヒラリと身軽にかわされてしまって失敗する。
「かーわーいー!」
「だって気になるんだよ。千賀達さっきからずっとあっちで固まって寄ってこないし」
河合があっさりとのたまってみせた視線の先、確かにグループの下四人はどこか緊張した面持ちでやたらと一箇所に身を寄せ合っていた。
皆どこか戦々恐々とした様子だ。
二階堂だけは何か言いたげに眉根を寄せているけれども、まぁ二階堂は元々強面だしな、と河合はのんびり思ったものだった。
そしてさらに今思い出した、と言った風でポンと手を叩いた。
「あ、千賀達だけじゃなくて、藤ヶ谷もか」
「ぅえっ!?」
唐突に出た自分の名前に、鏡台の前に座っていた藤ヶ谷は跳ねる勢いでおののいて目を白黒させた。
それに河合は思わず吹き出すように笑う。
「なんだよそれ、すっごいきょどり方!」
「ちょ、な、そっちこそなんだよっ」
からかわれたのかと思わずムッと眉根を寄せて、藤ヶ谷はしどろもどろでなんとか返す。
「や、だから、藤ヶ谷もビビらせちゃって、北山どうしたのかなーって話」
「び、ビビってないって!なに言ってんの」
「そう?だって前髪元気ないし」
「前髪って・・・。俺の前髪なんだと思ってんの」
「精神状態のバロメーター?」
「あのね、そんなんだったら俺今頃もっと面白いってもてはやされてるよ」
「んーまぁ確かに」
「だからいつもと変わらぬ俺の前髪ですー」
「んーそっかー」
「そうそうー」
「でも目ぇ赤いなー」
「・・・え、」
藤ヶ谷が思わずドキリとしてそちらを凝視すると、河合はソファーの上で膝を抱えたまま、その長い睫に彩られたパッチリとした瞳で藤ヶ谷を見て、次に北山を見る。
それから今度は隣で困ったような顔をしている横尾を見上げてきっぱり言った。
「横尾、大変だなぁ」
「・・・わかってんなら最初っから言うなよ」
「だって部屋の空気悪いよ」
別に他のグループのことに口出しをするつもりはないけれど。
気になるものは気になるのだ。
明らかに不機嫌そうに背中を向けてイヤホンを耳に微動だにしない北山も、よく見れば少しだけ赤い目をしてなんだか落ち込んだ様子でそんな北山をじっと見ている藤ヶ谷も、そんな二人の間でひたすらに困った様子でいる横尾も。
言ってしまえばそんな三人を後目に酷く落ち着かない様子の年若い四人もだ。
こんなところを五関に見られたら「お前はまた余計なことをして」と呆れられるだろうけれど、俺が言わなきゃ誰が言う、と半ば義務感にも似て思っている河合だった。
「なんか知らないけど、とりあえず話くらいしたら?」
河合は抱えた膝に顎を載せた体勢でやたらと大きな声でそんなことを言う。
視線の先には依然として微動だにしないその後ろ姿。
けれど気のせいか、その柔らかそうな茶の髪が俯きがちに揺れた気がする。
河合は自分がさほど聡いわけではないと知っているが、それでもそんな河合にだってわかったのだ。
「どーせ、さっきから音楽なんて聴いてないくせに」
その言葉には確かにその肩が反応した。
集中するいくつもの視線の先で、無言のままイヤホンが外されたかと思うと傍のテーブルに無造作に放られる。
カシャンと軽い音を立てたそれは、けれど妙に静かな楽屋には存外に響いた。
それにまたぴくっと反応する藤ヶ谷と下四人を後目に、その後ろ姿がようやく立ち上がって振り返る。
柔和で幼い顔立ちに似合わぬ深く強い眼差しが、まずは鏡台の前の藤ヶ谷を向いて、それからソファーの上の河合に向いた。
「・・・・・・そもそもお前は、なんでここにいるわけ」
これまた顔立ちに似合わぬ低めの声音は今やトーンまでも低く、もっと幼いジュニア達が聞いたら竦み上がってしまいそうだ。
けれども河合はそれにも「んー」と小さく呟いて目をパチパチと瞬かせると、隣の横尾にそのまま身体を預けるようにもたれ掛かった。
「横尾と遊ぼうと思って」
「河合ー・・・」
頼むからこれ以上うちのリーダーを刺激しないでくれ、と横尾はため息混じりで思うけれども、振り払う気にはなれない。
しかし北山はそれに目を眇めて鬱陶しそうな様子を見せる。
「五関くんはどうしたんだよ」
「五関くんがどうかした?」
「保護者んとこ帰れって話」
「五関くんは保護者じゃないし」
「あー恋人だっけ?」
「いまさらなに言ってんの」
「相変わらず野放しだから忘れてた」
「それが五関くんの教育方針らしいよ」
「・・・自分でよく言うねお前」
「いいのいいの、そういうとこがいいの」
「・・・あっそ」
「うん」
河合のそのセリフには若干の強がりも含まれてはいたけれども、全くの嘘というわけでもない。
ただ普段なら確実に突くであろう部分にまるで突っ込まなかったのは、やはり北山も普段とは違う状態だということだろう。
いつもの口の悪さを知っているだけに、今日はなんだか覇気がないなぁ、と河合は内心ぼんやり思いながら小首を傾げてその童顔を見上げた。
「けんか?」
「・・・なにが」
「だから、けんかかなって。やっぱり」
「・・・関係ないし」
「確かに俺には関係ないけどさ」
「・・・ないけど、なに?」
藤ヶ谷が可哀相とでも言うか?と北山は自分を無言で窺ってくる藤ヶ谷をちらっと見て思う。
予想外に視線が合ったことに少し驚いた様子の藤ヶ谷に軽く目を細めてから、再び河合を見る。
けれど河合はもたれかかった横尾をそのままの体勢で見上げながら笑った。
「横尾が苦労するじゃん」
「横尾かよ!」
「横尾かよ・・・」
物凄い勢いで先に突っ込んだのは実は藤ヶ谷の方だ。
そして少し遅れてかぶった北山の呆れたような声。
当の横尾はなんだか若干いたたまれなさそうに、けれど仕方なさそうに、河合の頭をぽんぽんと軽く撫でてやる。
横尾はその実五関とは少し違う路線で河合郁人に甘い。
ただ本人は努めて自覚しないようにしているが。
「ほんと、いい加減野放しにも程がある」
けれどなんだかんだと言われることはもっともかもしれない、と北山は内心思う。
当事者の自分達二人はともかく、いつも間に入ってくれる横尾や、そして未だ自分達上三人にうち解け切れていない下四人にこんなに気を遣わせるのは本意ではない。
これでも一応最年長なのに何やってんだ俺は、と北山は大きく息を吐き出して藤ヶ谷を見た。
藤ヶ谷は何か言いたげに口をぱくぱくと動かすけれど、どうにも上手く出てこないらしく困った様子で眉を寄せている。
でも確かに、河合が言った通りだ。
目元が少しだけ赤い。
本当にすぐ泣く奴だな。でかい図体して。
そんなことを思いつつ、そんなことはよく知っていたくせに今更気付いた自分に北山は何より呆れた。
「・・・横尾」
「あ、なに?」
「そのうるさいの、保護者のとこ返してきて」
その、と指差した先の顔は何のことかと一瞬きょとんと目を瞬かせてから、その意味を理解すると少しだけムッとしたように薄い唇を尖らせる。
けれどその反論の言葉を聞く前に更に畳みかけるように言う。
「当分戻ってこないように、遊んでやりながら返してきて」
あくまでも藤ヶ谷の方に視線をやったままそう言うのに、横尾はおかしそうに笑ってこくんと頷くと、河合の腕を掴んでそのまま立ち上がらせる。
ついでに、と離れたところで固唾を呑んで状況を見守っていた千賀達にも楽屋を出るように合図した。
それからまた河合の腕を引いて部屋から引っ張り出そうとする。
「ほら、河合」
腕を引かれながら河合はもう一度藤ヶ谷と北山を見て、なんだか一つ思いついたと言った風で悪戯っぽく呟いて出て行った。
「やっぱ、仲直りと言えばチューかなぁ!」
「・・・」
ああ、もしもこの手が届いてたら殴ってやるのに、と北山はこめかみを軽くひくつかせて閉まる扉の音を聞いたのだった。
そうしていきなり人口密度の下がってしまった楽屋の中、北山は一つ大きく息を吐き出すとさっきまで河合と横尾が座っていたソファーに座る。
腰を下ろしたそこはちょうど河合がいたところで、感じた妙な温もりに顔を顰めると、いったん立つと逆側の方に寄って再度腰を下ろした。
そこから何をするでもなく暫くまた沈黙が流れる。
けれどその沈黙を先に破ったのは意外にも藤ヶ谷だった。
自分の隣にぽふっと腰掛けた気配を感じて北山はゆるりと隣を見る。
藤ヶ谷は少し前屈みで両脚の間に手をついて、北山の方こそ向いてはいないが、未だへにゃりと眉を下げたままだ。
その浅黒い横顔をじっと見つめて、北山は何かに気付いていったん目を伏せるとため息をついた。
「・・・藤ヶ谷」
「ん・・・?」
「お前、昨日寝てないだろ」
「・・・そうでもないけど」
「肌荒れてる」
「あ、手入れ忘れちゃったから。・・・うん。しまった」
「ちゃんとしろよ。お前すぐ荒れるんだから」
「うん。・・・えっと、北山はいいよなぁ、肌綺麗だし。色白だし」
「俺は黒い方が羨ましいけど」
「でも俺は北山が羨ましいなぁ」
「もういいっての、それは」
「・・・うん、えーと、ごめん」
「ったく・・・」
北山はまた大きくため息をつくと、ソファーの背もたれに預けていた身体を起こして藤ヶ谷の後頭部を無造作に叩く。
唐突なそれに思わず前につんのめりそうになりつつ、藤ヶ谷はようやく北山を見た。
その窺わし気な視線にもう一度頭を叩いてやる。
「いてっ。いたいって!」
「お前がバカだからだよ。俺が叩き直してやろうか」
「余計バカになるって!」
「それ以上は大丈夫だろ、いくらなんでも」
むしろその鬱陶しい前髪ちょん切ってやったらちょっとはマシになるんじゃ・・・などと不穏なことを考える目の前の顔。
藤ヶ谷は何か感じ取ったのか若干引け腰でブンブンと頭を振った。
「お、俺が悪かったよ!」
「ほんとにわかってんの?」
「わかってる!・・・もうあんなこと言わない」
「ほんとに?」
「言わない!ごめん」
自分より少し上にある頭が深く下げられる。
大きな身体を折り曲げるから、その焦げ茶色の頭のてっぺんにつむじが見える。
そう言えば昨日もこうして頭を下げた・・・正確に言えばその時は俯いていたのだが、そんな藤ヶ谷を一度見下ろしてから苛立つままに置き去りにして帰ってしまったのを思い出した。
どうせ自分が帰った後俯いたまま泣いたんだろうと思うと、今目の前の姿もなんだかまた泣くんじゃないかと思えてくる。
だから顔を上げさせようとまた頭を叩いた。
だから、と北山の中では十分理論立った行動ではあったのだが、藤ヶ谷には随分と突飛な行動に思えたようだ。
「ちょ、だから叩くなって!謝ってんのになんだよー!」
「うるさい。いつまでもメソメソすんなよ。男だろ」
「北山が怒ってるからじゃん!」
「怒るに決まってるだろ。・・・何が俺とお前は違う、だよ。ふざけんなよお前」
柔和な顔を顰めてギリリと睨んでやる。
可愛らしい顔に似合わぬ低い声音と鋭い視線に、藤ヶ谷はまた眉を下げて頭を振る。
「だから、ごめんって・・・もう言わないよ・・・」
「ほんとにお前はしょうもないくらい後ろ向きな時があるよな」
「うん。反省してる」
それは些細なことだった。
言ってしまえば割と日常茶飯事とも言える。
いつもバカみたいにテンションが高くてアホなことばかりやっていて、グループのムードメーカーで。
けれどその実妙に繊細で後ろ向きなところがある藤ヶ谷の、ちょうど精神的に落ちていた時だった。
何もかもが上手くいかない、言ってしまえばその将来が見えない。
ちょうど大学にも無事入学したばかりで、新しい道が見えてくる時期というのもあった。
そんな中、藤ヶ谷が心の奥底に抱える根深いコンプレックスにとって、北山宏光という存在は安定剤となる時もあれば刺激物ともなる時もある。
藤ヶ谷にとってみれば北山は自分にないものを全て持っているのだ。
だから、折角話を聞いてくれようとした北山に心ない言葉を放ってしまった。
それが全ての原因。
そして北山は北山で、藤ヶ谷の拒絶がショックだった。
北山は見た目だけならまるで少女のような顔をしているが、その実内面は非常に硬派で古風な考え方をする。
それはその複雑な家庭環境にも根ざしているのだが、男は大事な人をどんなことをしても守らなければ、と常に本気で信念として持っている。
周りからすれば守るどころか誰よりも容赦ない態度をとっているように見えるけれど、そこら辺は北山の素直ではない性質故だ。
守るべきものがあるものは強い。
だから北山は強い。
けれどその守るべきものに拒絶されたら、その強さは一気に崩壊してしまう。
言ってしまえば、藤ヶ谷は北山の弱点だ。
それを知っているのは恐らく極々一部の親しい人間だけだろうけれども。
今思えば、あそこで凹んでいる相手の言葉くらいで腹を立てて帰ってしまった自分も大概まだまだ未熟だ、と実感しながら北山はもう一度藤ヶ谷の頭を叩いた。
藤ヶ谷は痛いと小声で言いつつも、もう抗議はしなかった。
「一人で悩んで八つ当たりするくらいなら、最初から言えよ。バーカ」
「・・・うん、言う。今度からはちゃんと言う」
「これでも俺、めっちゃ傷ついたよ」
「ごめんって!」
「どう落とし前つけてくれんの?」
「お、落とし前ー・・・?」
どうしよう。
ここは一つ土下座でもするべきなんだろうか、なんて。
本気で考えては眉根を寄せてうんうん唸っている藤ヶ谷にまた呆れたような顔をして、北山はスッと顔をそちらに寄せると下からじっと覗きこむ。
真っ直ぐで強い視線が自分を射抜くように見上げてくるのに、藤ヶ谷は身体が硬直したように固まって、思わず喉がこくんと鳴った。
「きた、やま?」
「・・・あの時のセリフ、もっかい言って」
「へ?あの時・・・?」
「もしかして憶えてない?キスマイを結成した頃のこと」
「結成した頃・・・・・・・あ、」
視線を巡らせて考えていた藤ヶ谷はあるワンシーンを思い出す。
それはまさに北山が今言った、自分と北山と、そして横尾と飯田の四人でこれから頑張ろう、とお互い励まし合った帰り道のこと。
横尾や飯田と別れてから、藤ヶ谷が帰る最寄り駅までの道を二人で歩いて、駅の改札の前まで来た時のことだった。
あの時の目が痛い程の鮮やかな夕焼けと、その朱に照らされた浅黒い肌と、その照れたような笑顔と、すぐさま改札に消えてしまった置き土産みたいに残されたその言葉。
北山は一生忘れないだろうと思った。
それらこそが北山にとって、自分が守るべきものだと誓わせた全てであるから。
「言ったら許してやる」
「・・・北山さ、」
「なんだよ」
「憶えてて、くれたんだ?」
まるであの時みたいに照れたように笑うその顔に、北山は何度目かもはや判らないがまた頭を叩く。
「忘れたとでも思ってんの?」
「って、も、叩きすぎ。・・・うん、だって、憶えてんのなんて俺だけかと思ってた」
「バーカ。だからお前はバカっていうの」
今度は中指で軽くデコピン。
それにギュッと目を瞑って、またぼんやりと開けて、目の前にある顔をじっと見下ろすと、藤ヶ谷は笑って言った。
『これからいっぱいいっぱい辛いことがあるだろうけど、ずっと一緒にがんばろ。
俺は絶対お前を裏切らないから、お前も俺のこと見捨てないで』
この部屋にはあの時のように朱い光は差し込まないけれど。
それでもほら、やっぱり変わらない。
あの時の誓いは変わらない。
北山はそう思って、嬉しくて。
幼い顔にようやく柔らかな笑みを浮かべると、そのまま覆い被さるようにして上から藤ヶ谷をソファーの背もたれに押しつけて、ゆっくりと唇を合わせた。
そうっと北山の後頭部に廻った藤ヶ谷の手が少しだけ遠慮がちに、やんわりと柔らかな髪を撫でた。
宥めるみたいなその感触が年下のくせになんだか癪だったけれど、存外に気持ちよかったからそのままにさせてやって、北山は更に口づけを深めた。
・・・結局あいつの言った通りの展開になってしまった。
そんなことを思いながら。
END
北藤っていうか河合じゃね?みたいな(ひどい)。
しかも横河?横河?だけど五河!みたいな(ひどい)。
お前どんだけ河合郁人好きなんだよって話になってしまいました。折角の初北藤なのにお前。
でも思うよりみっくんが楽しかったです。私がどんだけみっくんに夢見ているかという。
でも北山宏光は超将来有望男前だよ!村上の後継者はあいつしかいないと思っている。
そして藤ヶ谷が意外と難しいですっていうかまだ掴み切れてないのが丸わかりだね。研究研究!
(2006.5.16)
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