ユアマイン










「今日、告白されたー」

と、開口一番報告された。

「ちなみに誰に?」
「誰でしょー?あ、ちなみにヒントは男の子ね!」
「またかよ。ていうか、俺そういうミニクイズとか好きじゃないから」
「えーちょっとはノってよー」
「しかもどうでもいい」
「ツレないなー」

ツンと唇を尖らせて、ソファーの背もたれに身体を思いきり預けるその姿。
男のくせに妙にツヤツヤしたその唇にキスしたいなんて思う男がいるんだな。
黙ってれば確かに綺麗な顔はしてるけど。
中身はただのバカなのに。

「絶対幸せにします!」
「は?」
「だってさー」
「年下ってこと?」
「そうそう・・・っていや、反応すんのそこじゃないよね?」
「そこしか触れるとこが見あたらない」
「つまんねー」

今度は両足をじたばたさせて。
子供っぽい仕草。
一体どんな反応をして欲しいんだか。

「五関くんのこと好きなんですか!」
「なに?」
「って、断ったら訊かれたー」
「お前俺のこと好きなの?」
「だから触れるとこ違うって」
「別にそれだけでいいから、俺的には」
「・・・あらま!」

なんだよその間の抜けた声は。
見ればこっちをじっと見て、口をぽかんと開けている。
折角の綺麗な顔も台無し。
というか基本的に割といつも台無しだけど。

「俺のこと好きでいてくれればそれでいいとか!なに五関くん意外とケナゲー!」
「お前殴るよ?」
「いや今のだとそう聞こえるよねっていう話」
「まぁ、そう思うならそれでとってくれてもいいけど」
「いや嘘だけど。五関くんに健気とか似合わなすぎて笑う」
「お前いつからそんなむかつく子になったの?」
「五関くんとお付き合いするようになってからー」

ふんふんとまるで鼻歌を歌うような調子で言う。
ほんと、手が触れただけでも真っ赤になってた「可愛いふみと」はどこへ行ったんだか。

「あーあ、もったいなかったなー。
可愛い子だったなー。もうちょっとおっきくなれば男前になっただろうなー」
「もったいないお化け出るかもよ」
「マジでねーほんと失敗だったかも」
「俺とつき合うようになってからね」
「ほんとほんと。失敗続き」
「俺とつき合うようになってから可愛い可愛いって言われなくなったしね」
「ねー。こないだ辰巳くんに久しぶりに会ったら、素直な郁人はどこ行ったんだよ、って泣かれたもん」
「そりゃ残念」

特に河合の小さい頃を知っている奴ならみんな言うだろうな。
「みんなの可愛いふみと」はいなくなってしまったんだから。

「あーあー、俺なんで断っちゃったんだろうなー」
「俺のこと好きだからじゃないの?」
「あーあー・・・むしろ俺がケナゲー。何度告られても妬きもしない恋人相手に頑張ってんのー」
「お前はバカなだけだよ」
「ひっでー」

そのバカは言い換えれば健気とも言うのかもしれないけどね。

「ほんと、つき合ったのが運の尽きだよ」

あのまま育っていれば、「みんなの可愛いふみと」はこんな風にはならなかっただろう。

「悪い男に捕まった女の子の気持ちってこんなんなのかなぁ・・・」
「いい経験が出来てよかったね」
「言うことはそれだけかよー」

ちらりとこちらを横目で見る瞳。
確かに昔とは変わった。

「じゃあ、俺好みになってよかった、って言えばいい?」
「・・・さっすがダンディー」

とか言いつつ耳赤いけどね。

「つーかさ、なんでそんな楽しそうなの?」
「だって楽しいし」
「なんでだよ」
「お前見てるとさ」
「だからなんで」
「なんでってそりゃ、」

あの日以来。
みんなの可愛いふみとが「みんなの」じゃなくなったからだよ。










END






なにこの微妙な話。微妙な上に甘!
だからー甘い五河ブームなんだってばよー。
そしてさりげにノロけるごっち先生!憎い!(じゃあ書くなよ)
みんなの可愛いふみきゅんをかっさらっていった憎いアンチクショウでございます。
(2007.5.14)






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