1.出逢い
「どうも初めましてー。
今月号から担当させて貰うことになりました、村上信五です。よろしく」
「・・・・・・どうも、はじめまして」
「あれ。何か警戒されとる感じやねぇ?んん?
あ、ひょっとして俺のこと聞いてへんとか?あれ?君、横山裕ちゃんやんな?」
「・・・・・・そうですけど」
「せやんなぁ?あ、毎号欠かさず見さしてもろてますー」
「・・・・・・どうも」
「あらら〜。聞いた通り、人見知りな子なんやね、裕ちゃんは」
「・・・・・・別にしゃべる必要とかないですやんか。はよ撮るなら撮って」
「んー、でもコミュニケーションは大事やで?」
「そんなん・・・いつもせぇへんし・・・」
「あれれ。そうなん?あかんな〜。それはあかん!」
「なんやの・・・」
「カメラマンとモデルの間のコミュニケーションは第一やと俺は思うてるからね」
「・・・ふぅん」
「少なくとも、俺は相手の子とは仲良うせんとええもんは撮れへんから」
「そんなん。・・・あんたの腕がわるいんとちゃうの」
「あはははは!言うなぁ!やー、ええなぁ裕ちゃん、変わってるわぁ」
「・・・しらん」
「よーし判った。ほんなら俺頑張るわ。意地でも裕ちゃんと仲良うなれるように」
「なにそれ。やめてや、そんなん。はよ撮って。はよ帰りたい」
「はいはい、撮るよー?せやからほら、ちゃんとこっち向かって笑うて笑うて?」
「・・・あほやこの人」
「あはははは!そのむくれっつらもまたええわー」
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