5.姉弟
「姉ちゃん!また行くんか?」
「そら行くわ。おまえも毎回毎回おんなじこと言うなや」
「俺は認めへんて言うてるやろ!」
「じゃあいつになったら認めてくれんの」
「いつもクソもない!・・・グラビアアイドルなんて、やる必要ないやんか」
「あるからやってんねん」
「ええやんか、そないなことせんでも、食ってくだけなら父さん達が残してくれた金があるしっ・・・」
「・・・亮、お姉ちゃんに何遍もおんなじ事言わせんといて」
「なんで・・・なんでやねんっ!グラビアアイドルなんて、所詮やらしい男共に身体見せて金とってるんと同じやんけ!」
「・・・せやなぁ」
「なんで姉ちゃんがそないなことせなあかんねん!俺は嫌や!絶対認めへんからな!」
「・・・まぁ、ええよ別に。認めてくれへんでも。おまえは受験のことだけ考えとき」
「っ、・・・俺に、姉ちゃんに身体売らせて、そんでええ高校行け言うんか・・・?」
「おおげさすぎるわ。水商売ってわけでもあるまいし」
「同じようなもんやろ!・・・俺は姉ちゃんの稼いだ金でええ高校行って?そんで大学て?なんやねんそれ・・・」
「亮はお医者さんになるんやろ?」
「姉ちゃんにそないなことさせてまでなりたくあらへん!」
「俺がなって欲しいねん。俺と違っておまえは賢いねんから。な?」
「姉ちゃんっ、」
「・・・そろそろマルが迎え来るから行くな」
「姉ちゃんっ・・・!」
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