ほんとはそれだけでいい










こんな日でもなければ。


「ヒナちゃんよ」
「はいなんです?」
「してほしいことを言え」
「えらい唐突やね」
「おっさんになりました記念や」
「そこは素直に『誕生日おめでとうヒナちゃんv』て言うてくれればええよ」
「なんでおまえがそこでかわいこぶんねん」
「お前がそう言うてくれたらええなていう願望の顕れやんか」
「寝言はええからはよなんか言えよ」
「えー、じゃあ、チューしてや」
「ちゅーか」
「チューええね。ほっぺがええね」
「・・・ん」
「・・・あらら。ほんまにしてくれた」
「こんなん朝飯前やで、俺くらいになれば」
「朝飯前やのに滅多にやってくれませんよね」
「そこはおまえ、あれやん。そう簡単にやったらあかんやろ」
「焦らしプレイてやつか」
「プレイはええねんどうでも。あとは?」
「まだしてくれんの?」
「出血大サービスや」
「おー、ラッキ。じゃあねぇ・・・頭撫でてほしいなぁ」
「ふーん・・・そんなんでええんか。・・・ほれ」
「あはは、なんかくすぐったいなぁ」
「なんや犬撫でとるみたいな気になるな」
「んはは、そこは人間にしといてやー。あーでも気持ちええなー・・・」
「俺、犬だいすきやねん」
「よう言うてるなぁ。・・・ほんなら犬でもええかなぁ」
「・・・あとは?」
「んー・・・・・・抱きしめてほしい、かなぁ」
「おまえ、意外と女の子みたいなこと言うな」
「ん?これって女の子みたいか?」
「ようわからんけど。男はあんま言わん気ぃする」
「そら、女の子相手には普通言わんよな、あんま」
「あー、そか。そらそうか。・・・ほい」
「あー・・・ええわー・・・」
「・・・なにが」
「ヨコちょやらかいねん」
「おま、力強い・・・」
「そら、ギューやからね」
「ぎゅーか」
「あったかいしなぁ」
「おまえのがあったかい」
「筋肉ついとるからね」
「むだにごつい」
「ヨコはほんまやらかい。ふにふにしとる。かわいい」
「うるさい。余計なこと言うな」
「ふふ、未だに気にしてんねやね」
「いつまでも気にするわ」
「でも俺は好きよ」
「ヒナちゃんよ」
「ん?」
「あとは?」
「んー・・・」
「あとはなにしてほしい?」
「んー・・・誕生日って、すごいなぁ」
「なにが」
「ヨコがこない俺のいうこときいてくれるなんてな。ええなぁって。歳とるんも悪くないわ」
「せやからなにしてほしいて、」
「すごいなぁ。いくらでも聞いてくれんねやー」
「おまえが言うまでや」
「え?」
「おまえがほんまにしてほしいことを正直に言うまでや」
「・・・キスも、頭撫でるんも、抱きしめるんも、ほんまにしてほしいよ?」
「そうかい。・・・で?あとは?」
「・・・ヨコ?」
「ん」
「こっち見て?」
「見とるわ」
「もっとじっと見て」
「見とる・・・」
「もっと近くで」
「・・・これ以上寄れん」
「ヨコ」
「ん」
「お願い」
「ん」
「ずっと俺のこと見てて」
「・・・おん。誕生日おめでとな、ヒナ」
「ありがと」


こんな日でなくても。
いつだって。いつまでだって。









END






メモからの再録SS。
ヒナ誕暫定小話ですよ。とりあえず当日なんか投下しておこう〜と思って書いてたらなんか予想外のドロドロに。根底ドロドロ。
まぁそれこそ雛横の真骨頂だと思ってるわけですが。ラブの裏側のドロドロ。絆と執着が紙一重、みたいな。
そして裕さんはなんだかんだと村上さんを受け止めてあげてると思う(夢)。
(2006.2.5)






BACK