ある親子の日常










「アントーニオ。・・・アントーニオ!・・・アントーニオっ!いないのですか!」
「はっ、ただいま!・・・・・・母上?いかがなさいましたか?」
「・・・遅い」
「は?」
「遅いと言っているのです!」
「それは申し訳ございません。ちょうど執務室を離れておりました。お許し下さい母上」
「・・・許しません」
「母上?」
「おまえのその態度が許せないと言っているのです。わかりますか」
「は・・・本当に申し訳ございません。・・・ただ、母上、・・・何にそこまで怒っておいでですか?」
「なに、に?・・・その親を親とも思わぬ態度がです!アントーニオ!そこになおりなさい!」
「はっ!・・・・・・しかし母上、どうか少しお気を静められますよう・・・お身体に悪うございます」
「おまえは母を年寄り扱いする気ですか」
「滅相もございません。母上はいつまでも若くお美しい。まるで白百合の如き清らかな美貌を湛えておいでで・・・」
「お世辞は結構です。生憎と私はどこも悪くありません」
「しかし母上、・・・・・・」
「なんです。言いたいことがあるならはっきり言いなさい」
「・・・いえ、それは私の口からはとても・・・」
「アントーニオ・・・私をこれ以上怒らせるとためになりませんよ?」
「・・・では、母上、暫しの間ご辛抱を。失礼致します」
「な・・・・・・これは、どういうことですか、アントーニオ・・・執務中に私に触れるなと、何度言ったら・・・」
「他意はございません故、お許し下さい」
「・・・降ろしなさい」
「母上、お顔の色が優れませんね」
「いいから降ろしなさい」
「もう暫しご辛抱を。寝室までお運び致します」
「一体どういうつもりなのですか」
「怒り顔すらも美しいとは、母上も罪なお方だ。・・・でもいけません、お身体に障ります」
「だから一体なんだと・・・」
「・・・今日があの日だと、失念しておりました。私の失態です。申し訳ありません」
「・・・・・・・・」
「いかに男の身に生まれたとは言え、母上の月に一度の日ならば頭の中に入れていたはずだったのですが・・・いけませんね、使えない大臣共のことで私もつい苛立っておりました」
「・・・・・・・・おまえは、」
「お体の具合が優れないのですから、苛立たれるのも当然でしたね。母上は何も悪くない。責は全て私にあります」
「ならば、せめて・・・気付いても口にしないだけの配慮を身につけなさい」
「以後肝に銘じておきます」
「・・・アントーニオ」
「はい、母上」
「・・・今日の執務は終わりにしなさい」
「はい、母上」
「・・・何を笑っているのです」
「いいえ?何も」

ただ、この腕の中ではまるで一人の少女のような顔をする貴方が愛しいだけのこと。










END






メモからの再録SS。
本編のシリアスっぷりにラブを挟み込む余地がないのでそれを吐き出すかのごとく(笑)。
母上がほんとに母上でもいいじゃない!ていう・・・(最悪)。
ツンデレ母上と母上バカな息子。実際舞台上ではこんなんだったしねあいつら。ありえん。
単なるコスプレ雛横だよっていう・・・。でもほんとにアドリブ中はこんなんだったんだって!
だからアンエミというよりは、村上アントーニオ×横山エミリア。バカップル親子。
(2006.2.5)






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