先輩ピーターパンと後輩ピーターパン&ティンカーベル
「おまえらもついにデビューかー。おめでとなー?」
「あ、ありがとうございまーす!」
「ありがとうございます」
「中丸も上田もほんまようがんばったで。いやほんま。
えらそうに言うつもりとかそういうんちゃうねんけど」
「いやいやいや、嬉しいっす。ほんと。なんか胸がいっぱいっていうか」
「俺も。ようやくこの日が来たって、実感しました」
「なー。俺らの場合なんてデビューできるとそもそも思ってなかったけどな。
おまえらは確実やって言われてて5年やもんな。待望にしたってええ加減待たせすぎよな」
「いやいやいや、まぁ今となれば待たされた分色々力もつけられた気がするっていうか」
「溜め込んだ力が有り余ってる感じですよね」
「おー、たのもしいやんけー。
でもこっちかてまだまだペーぺーやねんから、あんまガツガツいかんといてやー?」
「いやいやいやっ、何言ってるんすかー!俺らいっぱいいっぱいっすよ!」
「エイトみたいに面白いこととかなんもできないっすからね、俺らなんか」
「あほ、おまえらみたいなシュッとしたやつらにおもろいことまでやられたら、俺らの出番ないやんけ。
ええねん、おまえらはシュッとしてキラキラしとりゃ」
「いやーーーー、これからっすよね、なんでも」
「そういうことなんで、申し訳ないですけどガツガツいかせてもらいますから」
「おーおー、言いよるなぁ。・・・でもなぁ、あかんでぇ?」
「はい?」
「何がですか?」
「あんま仕事仕事てガツガツしすぎて余裕なくすとな、空飛べんくなってまうねん」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「俺もこっち出てきて結構経つけどなぁ。もう結構本気出さんと飛べんくなってるもん」
「・・・横山くん」
「あの・・・」
「うん?なにぃ?」
「その、・・・まだ、飛べるんすか?」
「横山くん・・・て、もうこっち来て相当経ちますよね?」
「おん。まー昔と比べりゃぜんぜんやけど。まだ飛べるで」
「マジすか・・・」
「すげえ・・・」
「ふわふわーんて」
「ふわふわーん・・・」
「ふわふわん・・・」
「なんなん。え、おまえらもしかしてもう飛べへんの?」
「や、頑張ればなんとか・・・って感じですけど、俺は。・・・ただ、その、」
「・・・なんだよ、こっち見んじゃねぇよ。俺だってまだ飛べるよ!」
「だってこないだもうしんどいってぼやいてたじゃんかよー!身体が重すぎるってー!」
「お前と違って元のサイズが違うんだよ!しょうがないだろ!」
「おー、そっかー。上田は妖精さんやもんなぁ」
「その言い方は止めてください。ティンカーベルです」
「おうおう、ティンカーベルな。すごいよな」
「・・・何がですか?」
「やってピーターパンだけならともかく、ティンカーベルまでこっち来るなんて前代未聞やんか」
「あー・・・そう言われりゃそうっすよね。横山くんは一人でこっち来たんですもんね」
「そうやで。普通ティンクはこっちなんぞ絶対こーへんのに。ええなぁ、一緒で」
「あはは、まぁ、確かに寂しくはなかったっすね」
「・・・こいつが危なっかしいから。しょうがなかったんですよ」
「なんだよ。別に俺一人でもいけたじゃん。お前が勝手についてきたんじゃん」
「嘘つけよ。すんげー心細そうに『うえだー、俺向こうでやってけるかなー』て言ってきただろ」
「そ、そりゃ言ったけど!お前だってぴったり俺の肩にくっついてきただろー」
「お前をほっとけなかったんだって!」
「お前が俺と来たかったんだろ!」
「ちげーよしょうがないからだよ!」
「・・・・・・あのー、俺をほっとかんといてくれる?」
「あっ、はい!」
「す、すいませ・・・」
「まぁええけどー。ほんまにな、あんま余裕なくやっとると飛べんくなるからな」
「そうっすよね・・・気をつけないと・・・」
「でも・・・意外ですね、横山くん」
「ん?なにが?」
「いや、ほら、もうとっくにアレなのかな、って・・・ちょっと思ってたんで」
「ちょ、おま、ばか上田っ」
「あれ・・・?」
「や・・・ほら、言うじゃないっすか」
『子供の象徴であるピーターパンは、子供でなくなると飛べなくなる』
「よ、横山くんはまだまだピーターパンなんですよねー」
「・・・中丸、顔ひきつっとるで」
「横山くんどうなんですか?」
「上田ー!止めろっておまえー!」
「・・・まだ飛べる言うてるやん」
「意外ですね。・・・そっか、亮ちゃんまだなんだ」
「上田マジで止めろって!それ以上は!」
「・・・・・・なんでおまえら知ってんねん」
「なんでって・・・・・・なぁ?」
「なんでそこで俺に振んだよ!きついし!」
「・・・まだなんもしてへんもん。せやから飛べるもん」
「あー、そうなんだ」
「どうもすいませんでした・・・」
「おまえらはええよなー、ピーターパンとティンカーベルやからそんなん関係ないもんなー」
「「はぁ」」
END
妄想メモから再録SS。
ユウユウはエイトのピーターパンです。
ゆっちはカツンのピーターパンです(見た感じと雰囲気が)。
そして上田はティンカーベルです。
ということであっちの世界での先輩後輩でもあるユウユウと上中のおはなし(何が何やら)。
(2006.9.3)
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