８．いつのまにか、気付かぬ内に










「裕さん、おはようございますっ」
「ん〜・・・おはよう・・・」
「今日も眠そうですねぇ？」
「ねむたい」
「また遅くまでゲームですか？」
「・・・どっかのおっさんとおんなじようなこと言うなや」
「え？おっさん？おんなじ・・・？」
「・・・なんでもあらへん」
「？そうですか？体調とかは大丈夫ですか？」
「それはだいじょぶ。ねむたいだけやし」
「この前の撮影の時体調悪そうやったて、村上さんから聞いたんで・・・」
「だいじょぶやて。この前やって・・・別にそないたいしたことなかったし」
「そうですか？何かあったらすぐ言うてくださいね？」
「だいじょうぶやってー。もーマルは過保護やなぁー。大事にすんのはええけど、あんまり過保護やと彼女にうっとうしがられるでっ」
「ゆ、裕さんっ・・・・・・それ、きついですわ・・・シャレにならん・・・」
「・・・・・・あれれ。もしかして、・・・この前言うとった彼女、ハキョク？」
「・・・・・・なんも言わんといてください」
「あー・・・そ、そか・・・。まぁ、なんやろな、だいじょうぶやって！次なんてすぐ見つかるて！」
「そうですかねぇ・・・」
「そうやって！やってマルちゃん男前やもん！」
「そうですかねぇ・・・？」
「ほんまに！・・・まぁ、そのへこみやすいとこをどうにかすればいけるんとちゃうの」
「やったらええんですけどねぇ・・・」
「あんな、俺ちょお思っててんけどな？」
「はい？」
「しょーこさんは、どうなん？」
「しょっ・・・・・・やっさん、ですか」
「そうそう。やっさん。しょーこさん。仲ええやんか」
「や、・・・でもやっさんは、その、友達なんで・・・」
「ほんまにぃー？」
「ほんまですよ！」
「なーんか怪しいねんけどなぁ。仲良すぎるもん！」
「そら友達やねんから仲はええですて」
「そんなマルちゃんにひとつ訊くけども」
「はい・・・？」
「男と女に友情は存在するん？」
「ゆ、裕さん・・・どこでそんな永遠の問いを・・・」
「すばる」
「またですか・・・」
「やってすばるが、男と女に友情なんてありえへんて言うてたもん」
「・・・まぁ、それは人それぞれってことで」
「あー。ずるい答えー。大人ってずるいわぁ」
「そうですねぇ。ずるいですよねぇ」
「あのおっさんなんてその代表なんやろなぁ・・・」
「・・・あのおっさん？」
「あ、・・・なんでもあらへん」
「？そうですか？」










NEXT






BACK